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【コラム】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
コラム2018.06.29

vol.34 広がる「ICレコーダー」の用途

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2018年7月号

動かぬ証拠が大活躍

「護身用としてのICレコーダー」の存在を私が初めて知ったのは、8年ほど前のことでした。当時、若き衆議院議員だった石川知裕さんが政治資金規正法違反の容疑をかけられ検察の事情聴取を受けることとなったいきさつを、直接ご本人に取材したときの話です。

その石川さんに「ICレコーダーを持っていけ」とアドバイスしたのが、ご自分も検察の厳しい聴取を受けた経験のある、元外務官僚で作家の佐藤優さんだったと伺いました。「いざというとき役に立つから!」と、そう力強く言って送り出してくれたようです。


聴取の可視化(可聴化を含む)がまだ進んでいない頃でした。とはいえ、もちろん検察官は被疑者を相手に事情を聴く際、「威迫」「心理的圧迫」「利益誘導」といった「無理やり犯人に仕立て上げようとする脅し行為」を、してはならないことになっています。そういう誤った方法で引き出した証言は無効であり、むしろ、検察側が罰せられる可能性が出てきます。


検察側は、事前に何度も聞いたようです。


検察「ICレコーダーなんか持ち込んでないよね」


石川「大丈夫です」


検察「録音なんかしないよねえ」

石川「大丈夫です」

若者言葉で「大丈夫です」は「イエス」でも「ノー」でもなく、「なんとなく聞こえてますよ」程度のあいまいな応答として使われます。石川さんもそういう意味で「大丈夫」を使って、明確な返答をあいまいにして、巧みに避けたのです。「大丈夫=ICレコーダーは持ち込んでいない=録音しない」と勝手に判断したのはあくまでも検察側です。


石川さんの「あいまい言葉を上手に使う作戦」が大いに役立ったというわけです。事情聴取の模様は全てICレコーダーにそのまま録音されました。それが後に公開されて検察側は頭を抱えたのでした。

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