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【コラム】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
コラム2018.02.28

vol.30 「感じが悪い人」にならないために

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2018年3月号

自然に使っている配慮表現

ちょっとした言葉の工夫が「配慮表現」につながります。あえて配慮しようとしなくとも自然と使われている表現があります。

「来週の○曜日、渋谷で飲み会があるんだけど、どうですか?」

こんなふうに誘われ、断りたいときに「ごめんなさい、行きません」とは普通言いませんよね。「行きません」は「行かない」の敬語(丁寧語)表現ですが、「行かない」というあからさまな拒否の意思を強烈に表明することになるからです。「あえて相手に配慮したくない」「あなたのことが嫌いだ」「むしろ嫌われたい」という場合だったら、それはそれで非常に有効な表現ともいえます。

とはいえ、ほとんどの人は「行けないんです」と、「行く」の可能表現「行ける」の否定形「行けない」の丁寧形である「行けないんです」を使っています。「ごめんなさい、行けないんです」。こう言えば行きたいのはやまやまだけど、事情があって、状況が行くことを許さないのです、残念!という具合に、「行くことを許さないのは状況だ」と「断りの冷たさを和らげる工夫・配慮」を表現できる、というわけです。

こんな理屈など考えず、反射的に私たちは「ごめんなさい、行けないんです」を口にするから対人関係が円滑に進むのです。

一方で誘うとき、相手の都合を尋ねるときには、ちょっとだけ「配慮」した方がよいようです。

私が例に挙げた「来週の○曜日、渋谷で飲み会があるんだけど、どうですか?」。これが「行きますか?」と問われると、うっかり「行きません」と「自分の意思表明」をして気まずい事故を起こしかねません。

そういう相手の立場に配慮するなら「来週の○曜日、渋谷で飲み会があるんだけど、行けますか?」と「可能形」で尋ねることです。

そうすれば答えも自然に可能形の「行けません」となります。「もし行きたくなくて断るときは状況のせいにして構わないんですよ」との「配慮のメッセージ」さえ読み取れる、そんな論文なのでした。


筆者プロフィール
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梶原 しげる (かじわら ?しげる)

早稲田大学卒業後、文化放送に入社。20年のアナウンサー経験を経て、1992年からフリーとしてテレビ・ラジオ番組の司会を中心に活躍。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学、心理学修士号取得。東京成徳大学経営学部講師(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員も務める。

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梶原しげる著/新潮新書
821円(定価)

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