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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2015.10.30

vol.2 スピーチ能力をグンとアップさせる簡単な方法
梶原しげる

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2015年11月号
客が悪いからスピーチが受けない?

長々と小泉進次郎議員のエピソードを紹介したのは、彼の技が「スピーチ力をアップさせたい、われわれのモデルたり得るのでは」と考えたからです。

話したいことよりも、聞き手(聴衆)が興味を持つことを話す。進次郎氏のスピーチはまさにそれでした。
スピーチの基本は、やはり「聞き手が聞きたい話を聞きやすく伝える」なのです。主役は話し手ではなく、聞き手です。

小豆島のロケでは解説役だった池上さんも、自分が話したいことより、聞き手が興味を持つことを、聞き手の立場に立って伝えることで一時代を築いて来られました。

その源流はかつてNHK 職員時代に担当された、ニュースを子どもに話す「週刊こどもニュース」のお父さん役にあるのでしょう。小学生相手に繰り返された何百何千のスピーチ体験が花開きました。

「自分はこんなに勉強し、こんなに良い話をしたのにまるでウケない。反響もない。これは、そもそも聴衆が愚かだからではないか?」と嘆くのはお門違いです。

「客が悪いから受けない」はダメ芸人の常套句。「客がばかだからうちの製品が売れない」と嘆く経営者のようです。

「顧客が求めるのは何か? それに対応できる自社のリソースは何か?」。そう考える経営者のように、スピーチにも「顧客目線」が求められます。

自分が話したいことより、聞き手が興味を持つことを、聞き手の立場に立って伝える。

スピーチの極意は経営哲学にもつながりそうです。


筆者プロフィール
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梶原 しげる (かじわら  しげる)
早稲田大学卒業後、文化放送に入社。20 年のアナウンサー経験を経て、1992 年からフリーとしてテレビ・ラジオ番組の司会を中心に活躍。49 歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学、心理学修士号取得。東京成徳大学経営学部講師(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員も務める。

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