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【コラム】

ドイツ人はなぜ毎年150日休み、 1日10時間未満の労働でも会社が回るのか

ドイツ在住ジャーナリストである熊谷徹氏による連載。労働時間が短く生産性の高いドイツの働き方を紹介しています。
コラム2019.01.31

最終回 ドイツ流の働き方から学ぶ、「働き方改革」へのヒント

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2019年2月号

最大のパフォーマンスを引き出す体調管理

ドイツのビジネスパーソンは自分の心身に敏感だ。全ては自己の最大のパフォーマンスを引き出し、効率よく仕事をするためである。例えば、繁忙期でも1週間に1度は早い時間に退社して、仕事とは全く関係のない活動を行う。そうすることで、気分転換を行うのだ。社外で仕事以外のアポを多くとれば、思い切って早く退社する理由にもなる。

会社で働くだけが人生ではないのだ。自分が会社で元気に仕事をできる裏には、家族の支援もある。従って、退社時間を早めて、家族を大切にすることも重要だ。

他にも、昼食後は集中度が午前中に比べて下がるため、重要で複雑な課題は集中度が高い午前中に処理したり、生活リズムを朝型に変更したり、1日を有効に使う。なお、早朝のオフィスは人が少なく静かである上に、顧客からの電話や社内の問い合わせの数が比較的少ないので、集中して仕事を片付ける環境が整いやすい。もちろん、朝が苦手な人もいるだろう。それぞれに合った方法を選ぶべきである。ただし、いずれも長時間勤務は仕事の能率を低下させることを意識してほしい。

生活のリズムを変えることは、家族の理解を得なくてはいけない場合もあり、なかなかすぐには実行に移しにくいかもしれない。比較的取り入れやすい方法は、どんなに忙しくても1日の労働時間が10時間を超えそうになったら退社することだろう。10時間以上働くと能率が下がって、ミスの危険も増える。上司が職場に残っていても、気にしてはいけない。日本人は律儀なので、上司より先に退社することへ抵抗のある人もいるかもしれないが、「上司は私よりも給料が高いのだから、私よりも長く働くのは当然」と自分に言い聞かせれば、上司よりも先に帰ることについて良心の呵責は抱かなくて済むだろう。

イノベーションに関するアンケート結果
※複数回答

資料=DZ銀行がドイツの中小企業を対象に行った意識調査(2018年9月発表)※複数回答

資料=DZ銀行がドイツの中小企業を対象に行った意識調査(2018年9月発表)

労働者1人当たりが生み出したGDP(国内総生産)

資料=ドイツ連邦統計局

資料=ドイツ連邦統計局

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