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【コラム】

ドイツ人はなぜ毎年150日休み、 1日10時間未満の労働でも会社が回るのか

ドイツ在住ジャーナリストである熊谷徹氏による連載。労働時間が短く生産性の高いドイツの働き方を紹介しています。
コラム2018.12.27

vol.5 ドイツの仕事術を100%コピーする必要はない

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2019年1月号

人と直接やりとりできるサービスは
消費者から一定数の支持を得る

 

顧客サービスに関するアンケート結果
※資料=Opinium Research(英国)
※12カ国の2万4000人の消費者を対象に実施

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かゆいところに手が届く日本のサービス

それでもドイツのサービスの質は、日本の足元にも及ばない。私は毎年1回か2回は日本に戻るのだが、「日本のサービスはすごい」と毎回、感心させられる。私はドイツでは「良いサービスは受けられない」と諦めているために、日本でのきめ細かなサービスに対する感動の度合いが一段と強いのだ。

日本の旅館では部屋に到着すると、まずおしぼりと和菓子のサービスがある。日本では当然のことだが、私のように外国から来た客はこれだけでも感動する。

夕食の後も、談話室には飲料水と氷を入れた魔法瓶が置かれているほか、空腹を感じた客のために、廊下の机の上には、丁寧にラップフィルムで包んだおにぎりが並べてある。しかも、「おにぎりがなくなった場合には、お気軽に従業員に声をお掛け下さい」という添え書きまであるのだ。

とある東京のホテルでは、ズボンのファスナーが壊れたため「修理してくれる店を教えてくれませんか」と尋ねたところ、頼んでもいないのに無料で直してくれた。

ドイツではとても考えられないサービスであり、感動した。ドイツをはじめとするヨーロッパのホテルが、軽食を無料で提供したり、ズボンを修理してくれたりすることはまずないだろう。

日本で列車の旅をしても、さまざまなことに気付く。例えば、切符の点検を終えた車掌が車両から出る時に、客の方を振り向いてお辞儀をしてから、次の車両に移る。なんという礼儀正しさであろうか。ドイツでは見られない光景だ。

日本の新幹線が折り返しのために終着駅に停車する時間は12分。短い停車時間の中、清掃チームはわずか7分で掃除を終える。車内は、7分で終えたとは思えないほど、清潔になる。日本のサービスの質の高さを象徴する早業である。日本人が仕事にかける熱心さ、真面目さが伝わってくる。ドイツ版新幹線であるICEの車内は、折り返し地点でもこれほどきれいに清掃されていない。清掃チームは、新聞紙や紙コップなど大きなゴミをビニール袋に集める程度だ。

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