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コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2017.08.31

実行力強化のための見える化
武政 大貴


2017年9月号

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長 チーフコンサルタント
経営の見える化研究会 リーダー

武政 大貴 Hirotaka Takemasa
中央大学法学部卒業。財務省関東財務局で金融機関の監督業務を経験後、企業経営に従事。タナベ経営入社後は、主に中期経営計画策定、企業再生・再建支援を行い、企業の収益体質改善に寄与。また5S・VM活動支援では、財務の視点による体質改善を行っている。現実・現場・現品主義を信条とする行動派コンサルタント。

 

自律型組織を目指して

 
書籍やWebなどさまざまな場面において、「見える化」という言葉を目にする機会が増えてきた。しかし、言葉自体に触れたことはあるが、その意味するところを正しく理解し、活用できている企業は少ないのではないだろうか。見える化とは、「問題点を顕在化し課題解決する手法」である。あくまで「手法」であり、活用するための「目的」があることが大前提である。

 
では、目的とは何であろうか。究極の目的は、この手法を活用して一人一人が考え、行動する「自律型組織」を構築することである。環境変化のスピードが加速する現在、良き戦略を描いても実行しなければ絵に描いた餅である。この「実行力」の源泉が自律型組織である。
 
他社にはない競争優位性のある商品・サービスを世に出しても、いつかは資本力で勝る大企業に模倣され、優位性は時間とともに低減していく。しかし、一人一人が考え行動する自律型組織は、大企業がまねをしようにも、すぐにはまねできない強烈な参入障壁になり得るのである。いわば、どんな環境にも負けない強い企業体質があるということだ。

 
企業固有の目的を持つ

 
そして、この究極の目的から企業ごとにビジョン、戦略と連動させ、固有・個別の目的を設定していく。例えば、受注産業であり、どうしても季節的な受注変動に対応しなければならない企業特性がある場合、各人の力量(スキル)、標準作業・標準時間を見える化し、計画的育成を図る。期間工やパート・アルバイトでもすぐに業務をこなすことができるようにするなどの、いわば「誰でも化」の実現を目的として見える化に向き合う、などである。
 
他には、下請けメーカーであり、製品自体は同業他社からも一定の品質で提供されており、日々現場においては納期対応や価格対応など熾烈な競争になっている場合。工場自体の5Sを強化することで魅力ある工場を作り出し、得意先の担当者などを通常監査とは別に自社工場へ積極的に招致してみる。優れた作業環境はもちろんのこと、働く一人一人の自律的な姿を見せる(魅せる)ことで新たな提供価値を生み出す、いわば「魅せる化」ともいうべき事例がある。
 
 

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