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コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2017.04.27

海外展開するか否かは
10年先を見据えた高度な経営判断である
巻野 隆宏


2017年5月号

タナベ経営 コンサルティング戦略本部/
本部長代理 戦略コンサルタント

海外ビジネス コンサルティングチーム リーダー
巻野 隆宏 Takahiro Makino
企業の持続的な変化と成長をサポートする戦略構築に取り組んでおり、志ある企業・経営者のパートナーとして活躍中。「高い生産性と存在価値の構築」を信条とし、明快なロジックと実践的なコンサルティングを展開。海外ビジネスコンサルティングチームのリーダーとしても、成長戦略の構築を提言している。

 
ビジネスチャンスは海外にこそある

 
6%――これは世界のGDP(国内総生産)に占める日本の割合を示した数字である。皆さんはこの数字を多いと思われるだろうか?少ないと思われるだろうか?国内マーケットで戦っている企業は、この「6%」を取り合っているのだ。※

 
この割合は年々減少しており、内需も今後さらなる縮小が見込まれている。生産年齢人口(15〜64歳)はすでに減少しているが、2019年ごろには世帯数も減少すると予測されている。他にも、2019年に予定されている消費税増税や2020年以降の東京オリンピック・パラリンピックの反動など、先々を見据えると、内需を牽引する要素は今のところ乏しい状況にある。

 
一方、全世界の人口は70億人を超えている。そのうち、アジアの人口は全体の60%を占め、今後も増加が見込まれている。インドの人口はまもなく中国を抜き、世界一になる見通しだ。アフリカの人口増加率も非常に高く、特にナイジェリアの伸びが顕著である。GDPの成長率を見ても先進国が1%台であるのに対し、新興・途上国は4%以上と非常に高い。また、年間の訪日外国人客数が2500万人に届こうかという勢いで増加していることも背景に、海外でのジャパンブランドの人気は一段と高まっている。
 
このように海外に目を向けると、地政学的リスクは確かにあるものの、まだまだビジネスチャンスが存在しているといえる。

 
ただし、間違ってはいけないのが、海外展開は国内事業からの逃避ではないということだ。事実、「海外進出を拡大する方針を有する企業の約6割が、国内事業も拡大する方針」というデータがある(ジェトロ)。この比率は、大企業より中小企業の方が顕著だ。一方、「今後とも海外展開は行わない」「現状を維持する」と答えた企業では、国内事業拡大方針は約4割にとどまっている。
 
いずれにせよ、海外事業と国内事業の相乗効果で成長戦略を描くという考え方が大切である。

 
※ 内閣府「国民経済計算(2014年)」より
 

 
 

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