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【特集】

事業承継 EXIT PLAN

親族内承継のほか、ホールディング経営、IPO(株式上場)、MBO(役員陣による株式買取)、M&A(株式売却/事業譲渡)といったスタイルで第三者へ承継し、自社の企業価値を次代につなぐ企業が増えている。持続的に成長する「出口戦略」としての事業承継メソッドを提言する。
メソッド2022.01.05

親族への事業承継 志の承継と5つのメソッド:浜岡 裕明

 

❸ジュニアボードシステム

 

ジュニアボードとは、組織で中期経営計画を推進・実現する経営システムである。後継者をはじめ社員に「経営に参画をさせる」「自社の未来を創る活動に関与させる」仕組みとして運営していくことが重要だ。

 

B社は、中期経営計画を軸にジュニアボードを経営システムとして運用している。1年目はジュニアボードで中期経営計画を策定し、役員会への答申を実施。2・3年目は中期経営計画からテーマを設定し、全社横断のプロジェクトチームを組成してビジョンの具体化を進めている。

 

B社のジュニアボードシステムがうまく機能している背景として、プロジェクトの前半部分でインプットをしていることが挙げられる。タナベ経営のコンサルタントがB社のプロジェクトチームに寄り添い、成功事例や先端事例の研究と自社の分析を行って、あるべき姿と不足を明確にし、対策を正しく推進できる環境を整えている。

 

アウトプットを最大化する適切なインプットがプロジェクトの成果を決める。B社はジュニアボードシステムを活用し、経営に参画する社員を増やすことで組織経営を推進している。

 

 

❹後継者育成プログラム

 

親族内の後継者の性格特性として、共感性・社交性が高い一方、自律性が低く劣等感が強い傾向にある。創業者の経営スタイルをそのまま引き継ぐということは現実的に難しい中、経営者として帝王学や事業センス、経営センスを身に着けていく必要がある。

 

タナベ経営にはコンサルティングの中で独自開発した事業承継メソッドがあり、後継者育成プログラムとして「後継経営者スクール」を開催している。ぜひ活用していただきたい。

 

❺ブレーンネットワーク

 

経営環境の変化が激しい中、経営課題はより複雑になってきている。事業承継においても「ホールディング経営」「資本政策」「M&A」などさまざまな経営課題を総合的に検討する必要がある。社内には役員会・経営幹部・経営企画機能が必要であり、社外にも、金融機関・弁護士・会計士・コンサルタントなどの相談相手をどれだけ持っているかが大切になる。

 

親族内承継については、内外の関係者が心情的に受け入れやすい。一方で、親族であるが故の感情やこだわりがぶつかることが多く、うまく進んでいない企業も多い。相続や株価対策などの資本政策にとどまらず、タナベ経営の事業承継の経営技術を活用して、スムーズに親族内承継を進めていただきたい。

 

 

 

事業承継コンサルティング

「TCB(チームコンサルティングブランド)」とは、専門分野のスペシャリストからなる顧客最適のチームを編成し、迅速かつ的確な解決策の提案を可能とする、タナベ経営独自のコンサルティングメニューです。

 

 

 

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Profile
浜岡 裕明Hiroaki Hamaoka
2006年タナベ経営入社。経営者の志を受け止めるコンサルティングスタイルで、ホールディング設立支援・グループ経営システム構築・事業承継計画策定・企業再生など経営機能別コンサルティングに定評がある。組織経営体制を目指した経営システムの構築、後継者・経営幹部育成を多数経験している。ビジネス・ブレークスルー大学大学院(経営学修士)修了。
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