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【特集】

グループ経営システム

M&Aや分社化などを戦略的に進める企業が増える中、形成した企業グループの経営をどのように進めるかが大きな経営課題となっている。グループシナジーを発揮し、効果的なマネジメントシステムやガバナンスを構築するメソッドを提言する。
コラム2021.08.02

今なぜ、成長を実現するグループ経営を目指すべきなのか
福元 章士


2021年8月号

 

 

グループとして実現するシナジーを明確にし、浸透させる

 

 

【図表1】グループシナジーの具体例

出所:タナベ経営作成

 

 

【図表2】分社経営とグループ経営の違い

出所:タナベ経営作成

 

 

必要とされる「攻め」のグループ経営

 

コロナショックによって、これまでの常識を覆す構造変化が起き、企業は予想をはるかに超えた打撃を受けている。中堅・中小企業だけでなく、大企業も存続が極めて困難な状況の中、事業や収益構造そのものの在り方が問われていると言えよう。

 

こうした現状において、「自社を存続させる」という視点で短期的に守りを強化するだけでは、今後、生き残っていくことは難しい。存続のためには、「維持」ではなく「成長」を模索していく必要があるからだ。

 

日本では、人口減少による経済成長の鈍化、デジタル情報化社会の加速、商品・サービスの短命・短サイクル化が進行。言うなれば、「1つの事業で高成長し、長く勝ち続けることが極めて難しい」時代になった。企業が成長を目指す上で、多事業化を前提とした「グループ経営」の視点を持つことが不可欠になってきたのである。反転攻勢をかけていく上で考えなければならないことは、成長を実現するグループ経営への転換なのだ。

 

 

グループシナジーの最大化を実現する

 

本稿では、グループを「複数の異なる事業を営む単一の企業、もしくは複数の連結事業体からなる多角化企業」と定義する。つまり、複数の“企業体”として捉えるのではなく、「単一企業であっても、全体の統括機能であるコーポレート機能と複数の事業部門が存在する企業はグループと定義する」という考え方になる。

 

タナベ経営では、グループ経営の目的は「グループ利益の最大化」と提言している。

 

外部環境に急激な変化が突然起こっても、耐え得る経営を行うために必要な考え方は、グループとして各社(各事業)の方向性が一致し、単純和ではなく一体として生まれる相乗効果(グループシナジー)を最大化することである。

 

具体的には、【図表1】に示す項目がグループシナジーと呼ばれているものである。

 

「グループ利益の最大化」とは、言い換えれば「グループシナジーの最大化」を実現することである。そのためには、グループとしてどのようなシナジーを実現するかを明確に定め、グループ全体に浸透させることが大切だ。

 

「なぜ、資本関係のない個別の企業として生きていくのではなく、同じグループにいるのか」をしっかりと考え、答えを共有することが「グループ経営」の出発点となる。

 

なお、「分社経営」と「グループ経営」は似て非なるものと認識していただきたい。その違いは【図表2】の通りである。

 

 

 

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