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【特集】

営業DX

コロナ禍をきっかけに、営業現場にもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せている。デジタルの活用で、いかに生産性と勝率を上げていくのか。進化するセールステックの事例と、データを価値に変えるデータサイエンティストの育成について紹介する。
コラム2020.10.22

DXで優れた顧客体験をつくるべき理由
藤原 将彦


2020年11月号

 

 

【図表3】デジタル戦略設計・推進の理想のステップ

 

 

【図表4】四つの機能別DX

 

 

中長期的かつ全体最適なデジタル戦略は「自社で」しか描けない

 

デジタルトランスフォーメーションの具体化

 

企業としてデジタル投資を戦略的に進めていくためには、リアルとデジタルの融合による顧客価値の向上を踏まえた自社の全体最適なシステムを「自社で」デザインする必要がある。

 

例えば、商社であれば「販売管理(在庫・原価・販売金額)」や「物流」といった機能が自社の中心のコアシステムとなり、その他の機能をどのようにデザインするかを設計していかなければならない。また、顧客との継続的なやり取りを重視する業態であれば、顧客情報を管理・蓄積・共有する「顧客管理」がコアシステムとなる。

 

自社のビジネスモデルを、全体最適かつ中長期的な視点から、リアルとデジタルの両面で理解・提案でき、投資判断まで行うシステム開発会社に出合えることは少ない。自社のデジタル戦略は「自社で」描かなければならないのである。そのためには、CDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)と共に自社のデジタル戦略を設計し、デジタル投資の判断を提案・サポートする人材の採用・育成が不可欠である。

 

デジタル戦略設計と営業DX

 

DXを進めるに当たって「何から手をつけて良いか分からない」、あるいは「プロジェクトスタート・投資判断ができない」企業は多い。そこで、これまでのコンサルティング現場で進めてきたデジタル戦略設計・推進の理想のステップを紹介しよう。【図表3】の通りである。

 

その中の「Step3 IT中期戦略・ロードマップの策定」については、【図表4】の四つの機能別に戦略構築することで一つ一つの施策が具体的かつシャープになる。

 

営業DX構築に向けたデータドリブンの視点

 

データドリブン(データ駆動型)経営とは、効果測定などで得られたデータに基づいて客観的な意思決定を行い、アクションを起こす経営スタイルである。デジタルマーケティング、IoTデバイス、AIなどの分析技術の発展に伴い、多様なデータの可視化が可能になった。データ通信量、IoTデバイス数は今後も増加していくだろう。

 

ビジネスプロセスにおいて、費用対効果の高いアクションを採ることができれば、それだけ売上拡大や利益率の改善につなげることができる。このようなデータ社会では、データを価値に変えることができているか否かで価値創造に格差が生じる。もはや現場に出向き、現場に触れる「三現主義(現場・現実・現品)」だけでは正しい情報をキャッチしているとは言えない。IoT・ウェアラブルデバイス、AIなどを駆使したデータドリブンを実現することで、生産性向上と管理負担軽減の両方を実現することが当たり前になりつつある。

 

営業DXでデータドリブンマーケティングを実現

 

商品・サービス、買い方、購買のタイミングの選択肢の増大、購買後の重要性など、顧客が一つの商品・サービスを選択する一連の流れである「顧客体験」が複雑化している。消費者は「消費に関わる全ての経験・体験」を踏まえて商品を選ぶため、どこかの段階でイマイチな体験をすると、簡単に自社から離反していってしまう。

 

複雑化した顧客体験に対応していくためには、既存のマーケティング関連システム(ウェブ、メール、SNS、CRM※6、SFA※7など)、オンラインデータとオフラインデータ(カタログ、商談、インサイドセールスなど)を連携させながら、データに基づいて客観的な意思決定を行い、アクションを起こしていく必要がある。また、商品が売れたり、サービスの提供が終わったりすれば顧客との関係が終了するというものではなく、顧客との継続的な関係を維持していかなければならない。この関係の継続・維持のためにはデータを適切に分析し、適切なタイミングで適切な情報を発信していくコントロールタワー(一般的にマーケティング・オートメーションが担う)の確立が必須となる。

 

営業DXでデータドリブンマーケティングを推進する事例として、本特集では「DMP※8(アドインテ)」「MA※9 (アドビ)」の支援ツールと、データを価値に変えるための「データサイエンティスト育成(滋賀大学)」について紹介したい。

 

 

【図表5】データドリブンを支援するツール

出所:バレット「IT Koala Navi」を基にタナベ経営が作成

 

 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長
WEBデジタル研究会 リーダー

藤原 将彦
Masahiko Fujihara

クライアント視点でのコンサルティングスタイルで、企業の原点である「ミッションの確立」や、未来に向けた「ビジョン・戦略の構築」を中心に活躍中。また、新規事業開発・推進においても、前向きな情熱を持って取り組み、クライアント企業の成長エンジンづくりに貢献している。

 

WEBデジタル研究会

デジタル戦略は企業の持続的成長に不可欠です。本研究会でデジタル戦略のロードマップを描き、自社ビジネスモデルをイノベーションしていきましょう。

 

 

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