TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【特集】

現場の自動化

これまで機械を使った自動化と言えば、工場の生産ラインが中心だった。しかし、いまや建築現場、医療現場、物流現場など、さまざまな現場・職場で自動化が進められている。人の仕事の質をさらに高めてくれる自動化技術を追う。
コラム2020.04.30

技術解決思考でビジネスモデルを革新せよ
森重 裕彰


2020年5月号

 

 

 

 

技術革新を味方に付けよ

 

AIに仕事を奪われる?堂々と奪ってしまえばいいのだ。

 

時代はその繰り返しであり、技術革新とともに経済は発展してきた。高度経済成長期に普及が進んだコンバインは、稲作にかかる稲刈りと脱穀の労働時間を19分の1に短縮させた。まさに爆発的な生産性改革だ。裏を返せば、19人分の仕事を1人でできるようになり、18人分の仕事を技術革新が奪ったとも言える。

 

私のクライアントであるこんにゃくメーカーA社の例を挙げよう。日本で初めて板こんにゃくを自動で加工・切断する機器を製造した企業でもあるA社は、高い生産技術力でユニークな形のこんにゃくを製造し、その商品力の高さが同社の成長を引き上げていった。しかし、板こんにゃく加工自動化の裏側には次のような物語があった。

 

こんにゃく製造業は従来、労働集約型で、板こんにゃくは液状化されたものを木枠を使って固め、必要な形状に人の手でカットする流れが一般的であった。A社の製造工程も同様だったが、A社の経営者(創業者)の妻も工場で働き、夏は暑く、冬は寒い環境下で作業をしていた。まだ乳児である子どもを背負って。

 

A社の経営者はその姿を見て、「どうにか楽にしてあげたい」と思い、板こんにゃく製造自動機を開発した。従来よりも生産性を大幅に向上させたことは言うまでもない。

 

自動化や技術革新の裏側には、このような物語がいくつもある。決して、「雇用を奪おう」という気持ちで開発はしていないはずだ。

 

しかも、労働力不足の日本においては、さまざまな産業でAI化・自動化が進めば、働き方改革にも大きく寄与するだろう。

 

※クボタのホームページ「クボタプレス」(2017年8月31日号)より引用

 

 

 

1 2 3
現場の自動化一覧へコラム一覧へ特集一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo