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【特集】

ホールディングカンパニー

事業承継を機に「ホールディングカンパニー」(持ち株会社)を設立し、グループ経営に移行する中堅・中小企業が増加している。持ち株会社は「独占禁止法」の改正で解禁されたが、従来は大手企業を中心に業界再編ツールとして運用されてきた。この古くて新しい「ホールディング経営体制」の導入企業事例を通じ、経営戦略上のメリットを浮き彫りにする。
コラム2019.06.28

経営者たちと持続的な成長をコミットする
中須 悟


2019年7月号

多くの経営者人材を育成する

中堅・中小企業が持続的な成長を望むとき、「多くの経営者人材を生み出す」ことが重要な経営課題となる。業容の拡大に伴い、1人の経営者が陣頭指揮を振るうには限界がある。

「企業は社長の器以上に大きくならない」といわれるが、そもそも今は1人の経営者の器に頼って成長していく時代ではない。複数の経営者によるグループ連邦経営をしていくことがホールディング経営モデルの要諦であり、それ自体を目的にホールディングス化を志向する経営者も多い。

環境設備総合商社のカンサイホールディングス(福岡市博多区)は、グループの年商が300億円に迫る地域のリーディングカンパニーである。これまでは創業者の忍田楢蔵氏、そしてそれを受け継いだ2代目の忍田勉社長がグループをけん引してきた。今後の第3世代はホールディングス体制の下、中核企業であるカンサイもエリアごとで分社化し、それぞれに社長を配してさらなる成長を目指すという。

また、電気設備の設計・施工やITシステム構築などを手掛ける千代田ホールディングス(福岡市中央区)においても、次世代には社員から社長を輩出し、グループでバランスを取りながらさらなる成長を目指している。

ホールディング経営モデルにおいては、グループを構成する複数の事業会社が、それぞれに配置された経営者の下で自律的な経営を展開していくことが望まれる。

では、HDCのトップはどのようなスタンスを取るべきだろうか。それは今の時代の流れからも「サーバントリーダーシップ」が望ましい。

サーバントリーダーシップとは、一般に「部下の能力を肯定し、互いの利益になる信頼関係を築くリーダーシップのスタイル」といわれる。一方的に命令することで動かすスタイルではなく、組織としてのビジョンを示し、部下を信頼することで組織全体の成長を促すのである。

ホールディングス体制においても、HDC のトップはグループとしての中長期ビジョンを示し、それを受けた事業会社の社長がそれぞれの事業を伸ばす成長戦略を立案して実行する、そんな関係性が望ましいだろう。


ヨシムラ・フード・ホールディングス代表取締役CEOの吉村元久氏は「自らは事業プロデューサーの役割に徹している」と語る。映画に例えるなら、現場の監督や役者は社員に任せ、自らはプロデューサーとして支えるスタンスを取るのだ。同社の姿勢は、今後のホールディング経営におけるオーナーシップの発揮の仕方を示唆している。

ホールディング経営研究会
https://www.tanabekeiei.co.jp/t/lab/100management.html

 

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