TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。

コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2019.02.28

メソッド
「プラットフォーマー」の世界
村上 幸一


2019年3月号
 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 副本部長
村上 幸一
Koichi Murakami

ベンチャーキャピタルにおいて投資先企業の戦略立案・マーケティング・フィージビリティースタディーなど多角的な業務を経験。タナベ経営に入社後も豊富な経験をもとに、マーケティングを軸とした経営戦略の立案、ビジネスモデルの再設計、組織風土改革など、攻守のバランスを重視したコンサルティングを実施。高収益を誇る優秀企業の事例をもとにクライアントを指導している。中小企業診断士。

 
 

私たちの日常生活は、米西海岸に囲まれている

 
朝起きて、「iPhone」でGoogleにアクセスして今日の予定とニュースをチェック。通勤途中で買った「コーヒーフラペチーノR」を片手に出社し、ノートパソコンの「EliteBook」を起動させる。Excelで新規プロジェクト予算を試算し、営業管理ツールの「SalesCloud」で顧客情報を確認。ランチタイムにFacebookやTwitterで友人の近況を知り「いいね!」ボタンをクリック。仕事を終えて帰宅するとAmazonで注文したスニーカー「Air Max」が届いていた。リビングではテレビでYouTubeを見る小学生の息子が、妻から「いいかげんにしなさい」と注意されている――。
 
どこでも見られるような、ごく一般的な日常生活の風景だろう。この文中に11の企業が登場している。記載順に挙げると、アップル、グーグル、スターバックス、ヒューレット・パッカード、マイクロソフト、セールスフォース・ドットコム、フェイスブック、ツイッター、アマゾン・ドット・コム、ナイキ、ユーチューブ(グーグル子会社)だ。
 
いずれも米西海岸(シアトル、サンフランシスコ、シリコンバレー)に本社を構えるリーディングカンパニーである。持ち物の違いや利用の程度の差はあれ、日本人の私たちでさえ、これらの企業と無縁では生活ができない。特にアマゾンは世界トップシェアを誇るクラウドコンピューティング(AWS:アマゾン・ウェブ・サービス)を有しており、アマゾンから直接商品を購入しなくても、なにかしらの形で世話になっているケースが多い。
 
 

プラットフォームというビジネスモデル

 
中でも、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社は、頭文字をとって「GAFA」と呼ばれ、世界に圧倒的な影響力を及ぼしている。これにマイクロソフトを加えた5社(GAFMA)の時価総額合計は、ロシアのGDP(国内総生産)を上回るといわれる。ロシアのGDPは世界11位(2017年)。民間企業5社だけで、世界GDPランキングにトップ10入りする可能性さえある。
 
このうちGAFAの共通点は、プラットフォームをビジネスモデルの核としている「プラットフォーマー」であるという点だ。プラットフォームとは、オペレーティングシステムやハードウエアなどを動作させるための基本的な設定や、環境などの基礎部分を意味する。ビジネスにおけるプラットフォームという用語も、ここから派生したものである。つまり商取引を行う場と、そのルールや基盤を設定するビジネスモデルとなる。
 
こう書くと最先端のように感じられるが、実は昔からあるビジネスモデルだ。商品や製品、あるいは情報やコンテンツなどを提供する売り手側と、その多様な品ぞろえを期待して来店する買い手側をつなぐ場がプラットフォームだと考えれば、青果市場やデパート、ショッピングモールなどもプラットフォーマーである。
 
従来から存在するプラットフォームが、強烈な収益力を誇るビジネスモデルとなったのは、ITの力による。従来のプラットフォームはリアルな場所であり、空間と地域による制限があったが、IT化によってそれがなくなり、極論すれば、無限の広がりを持つようになったのだ。
 
 
 

1 2
コンサルティング メソッド一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo