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コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2019.01.31

ものづくり業界に求められる“形”
小谷 俊徳


2019年2月号
 

〝夢の技術〟は10年先を見据えたから実現した

 
2025年の国際博覧会(万博)開催地が大阪に決まった。前回(1970年)の大阪万博「EXPO’70」で、“夢の技術”として出展された携帯電話や電気自動車、ローカルネットワーク(LAN)、モノレールなどがいまや現実のものとなり、広く普及している。
 
当時、夢の技術と思われたモノは、未来を予測し、そこを起点に逆算して市場が欲するモノ(生活を便利にし、顧客の課題を解決するモノ)の開発を進め、現実のものとなった。今、市場が欲しているモノに着目することも重要であるが、このように未来を見据えた製品開発の発想が求められている。
 
私があるクライアント先で中期ビジョンの作成を行った時のことだ。その際の参加メンバーは、取締役をはじめとした幹部社員たち。私は冒頭でメンバーに依頼したのは、作成する中期ビジョン計画は3カ年であるが、3年後が着地点ではなく、10年後の会社を見据えた上で、通過点としての3カ年計画であることを常に意識して発想することだった。
 
3年後であれば、現在の延長線上の発想になってしまいがちだが、10年後は時代も変わり、“延長線上”では考えられない。10年先を見据えて3年後を考えるというのは難しい作業だが、このクライアントにはその発想が必要だと判断したのである。
 
しかし、ビジョンの作成は難航した。その一番の理由は、一部の役員から出た「10年後は(自分は)もういないから」という一言である(私はそれを聞き、非常に悲しかった)。そこで私は、「自分の部下や後輩、これから入社してくる未来の社員のことを思い、その人たちがワクワクするような企業をつくるためにも、いま自分たちが目指したい企業を想像して真剣に検討してください」と言った。
 
10年後をイメージすることは至難の業かもしれない。だが、EXPO’70で紹介された夢の技術は、当時の10年以上先を見据えた技術開発であった。この発想ができないようであれば、その企業は衰退し、市場から消えていくだろう。
 
 
 

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