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コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2019.01.31

ものづくり業界に求められる“形”
小谷 俊徳


2019年2月号
 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長代理 チーフコンサルタント
小谷 俊徳
Toshinori Kotani

非鉄金属メーカーで生産管理に従事し、その後、食品メーカーで工場長、品質保証の責任者を経験。国内外の協力工場の品質・生産管理指導や海外工場立ち上げ時の技術指導も行う。タナベ経営に入社後、現場で培った経験をもとに、生産現場のほか調達から物流まで幅広い分野で、業績改善を軸にコンサルティングを行っている。創意工夫をモットーとする現場主義コンサルタント。

 
 

2016年1月、世界経済フォーラム(本部:スイス・ジュネーブ)の年次総会「ダボス会議」で、「インダストリー4.0(第4次産業革命)」がテーマとなった。もう3年が経過したが、その間、製造業は急速かつ大きな変化を求められてきた。
 
本稿の主題に掲げた「ものづくり業界」とは、言葉通り、モノを作り、販売する業界を指すが、現在はその範囲が急速に拡大している。例えば、米国のGE(ゼネラル・エレクトリック)を中心に提唱されている「インダストリアル・インターネット」では、モノの製造・販売だけでなく、その後の使用状況のデータをフィードバックし、次の製品改良につなげたり、使用方法の提案をしたりと、従来のものづくり企業の発想とは違う次元で事業展開を始めている。

 

今の業態で何年、継続できるかく

 
「企業寿命30年説」という言葉があるが、私はある企業の社長から、「今の時代は5年ですよ」と言われた。その社長の意図は、時代の変化が早く、企業を存続させるためにも、時代に即応して変化を起こさなければならないということだ。同じ状態で継続できるのは5年程度でしょう、ということである。企業寿命がそのような状況なのだから、製品寿命に至ってはもっと短命化している。
 
私のイメージでは、100年以上のロングセラー商品が多数存在しているのは医薬品業界くらいのもので、一般の消費財で同じ商品が100年間も売れている事例は聞いたことがない(それだけ医薬品は特殊なのかもしれないが)。多くの企業は、前述した社長の言葉の通り、常に新しいことに挑戦し、新しいことを始めなければ、存続が危ぶまれる環境にあることを認識する必要があるだろう。
 
タナベ経営が企画・運営する「ものづくり研究会」が発足したのは2013年。当時の名称は「テクノロジーブランド研究会」だった。理由は、自社の固有技術を活用してブランディングを進めることが大切だと考えたからである。
 
しかし、固有技術のブランディングだけでは事業存続が厳しい時代へと変化し、ものづくりの原点から見直すために3年目から現在の名称に改めた。
 
ものづくり企業が行わねばならない一歩目は、「顧客の課題を解決すること」である。しかしテクノロジーブランドとは、自社の固有技術をブランディングして売る。つまりプロダクトアウト(技術起点)に近い発想である。
 
他方、顧客の課題解決はマーケットイン(需要起点)の発想に変化してきた。わずか3年の間に、ものづくり業界においては時流が大きく変わってきたということである。
 
 
 

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