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コンサルティング メソッド

タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
2018.08.31

増加の一途をたどるインバウンド
日下部 聡

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2018年9月号
 

タナベ経営
経営コンサルティング本部
東北支社 支社長代理 戦略コンサルタント
観光・ツーリズムビジネス成長戦略研究会 リーダー
日下部 聡 Satoshi Kusakabe
「現場第一、先行思考、情熱主義」をモットーに、各企業の業績改善・体質改善に取り組み、多くの実績を残している。専門分野は経営戦略構築、営業強化、人材育成による組織活性化。観光・ツーリズムビジネス成長戦略研究会リーダーとしても活躍中。

 
 
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観光産業は世界最大かつ最速の成長分野

 
 
「観光は、過去60年間にわたり拡大と多様化を続け、世界最大かつ最速の成長を見せる経済部門の一つとなった」(国連世界観光機関発行「ツーリズム・ハイライト(2017年)」日本語版序文)
 
世界の観光マーケットは1950年以降、長期にわたって拡大を続けている。国連世界観光機関(UNWTO)の最新の発表によると、2017年の世界全体の国際観光客到着数は13.2億人(前年比6.7%増)と8年連続で増加した。2030年には18億人に達すると予測している。(【図表1】)
 
 
【図表1】国際観光客到着数の推移
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出典:国土交通省「2018年版 観光白書」
資料:UNWTO(国連世界観光機関)

 
 
さらにマーケット規模(国際観光収入)は1950年の20億米ドルから、2016年には1.2兆米ドルへ急増。世界全体の観光輸出総額は1.4兆米ドルと化学、燃料に次ぐ3番目の規模であり、自動車関連や食料品を上回るという。
 
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が2018年3月に発表した報告書によると、世界の観光産業のGDP総寄与額は8.3兆米ドル(2017年)、雇用効果は3億1300万件に上り、全世界のGDPの10.4%、全雇用の10分の1を占める。まさに観光産業は世界経済のキープレーヤーとなっている。
※「旅行・観光産業 世界における経済的影響と課題2018」
 
日本においても、観光産業は急成長マーケットである。特に有望視されているのがインバウンドだ。2017年の訪日外客数は2869万人(前年比19.3%増)と5年連続で過去最高を更新した。2012年(836万人)から5年間で2000万人も増えたことになる。人口減少と過疎化が進む地方にとって、インバウンドはビジネスチャンスが極めて大きいマーケットと言えるだろう。
 
地域格差はあるが、街が様変わりするほど外国人旅行者が増えている地域もある。顕著な例が京都市だ。京都市観光協会と京都文化交流コンベンションビューローが発表した2018年4月の「外国人客宿泊状況調査結果」によると、同月に市内宿泊施設(主要37ホテル)を利用した訪日外国人の割合が単月で過去最高値の52.5%となり、初めて外国人と日本人の比率が逆転した。(【図表2】)
 
 
【図表2】京都市/客室稼働率・利用割合の推移(主要37ホテル)
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出典:公益社団法人京都市観光協会・
公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー
「平成30年(2018年)4月の外国人客宿泊状況調査」(2018年5月31日)

 
 
日本人を含む客室稼働率は94.1%。京都市観光協会が提携するホテル業界専門調査会社「STR」の調査結果では、平均客室単価(ADR)が国内4都市中、最高の2万5000円超となり、香港やシンガポールをも上回った。
 
宿泊実人数の前年同月比伸長率を国・地域別で見ると、カタール(74.4%増)、トルコ(44.2%増)など中東地域の伸び率が高い。これは日本航空が4月1日より、カタール航空が運航する日本=ドーハ線のコードシェア(共同運航)を拡大し、中東・アフリカ・中央アジアからの航空環境向上が後押ししたためとみられている。
 
 
 
 

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