2018.05.31
学校の教育改革で生まれる”新人類”
細江 一樹
タナベ経営
経営コンサルティング本部
部長 戦略コンサルタント
経営コンサルティング本部
部長 戦略コンサルタント
細江 一樹 Kazuki Hosoe
「人事制度で人を育てる」をモットーに、制度構築を通じた人材育成はもちろんのこと、高齢者・女性の活躍を推進する制度の導入などを通じ、社員総活躍の場を広げている。人を生かす独自のアイデアを数多く生み出し、ソフトな語り口での提案と、本質をズバリ提言するコンサルティング展開で、クライアントから高い評価を得ている。
「人事制度で人を育てる」をモットーに、制度構築を通じた人材育成はもちろんのこと、高齢者・女性の活躍を推進する制度の導入などを通じ、社員総活躍の場を広げている。人を生かす独自のアイデアを数多く生み出し、ソフトな語り口での提案と、本質をズバリ提言するコンサルティング展開で、クライアントから高い評価を得ている。
学校がつぶれる!?
現在、日本の学校は「危機」に瀕している。一般的な大学進学年齢である18歳(男女)人口は、この10年ほど横ばいで推移(120万人程度)してきた。ところが、2018年から減少傾向へ転じるとみられており、教育現場を騒がせている。これが、いわゆる「2018年問題」である。(【図表1】)

【図表1】18歳(男女)人口と国公私立大学数の推移
※18歳人口は2027年以前が文部科学省「学校基本統計」、28年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(出生中位・死亡中位)」を基にした推計値
出典:文部科学省「学校基本調査」および「高等教育の将来構想に関する基礎データ」
今後、進学率が特段伸びるとは考えられない。従って、大学間で入学生の取り合いとなり、私立大学(以降、私大)を中心に淘汰が進むことだろう。すでに私大では定員確保に苦しむ状況を迎えつつあり、入学定員充足率(2016年時点)が100以上の私大は55.5%と半数程度にとどまっている。(【図表2】)
文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」が実施した経営診断調査(2017年度)によると、私大914校(短大などを含む)を運営する全国662法人のうち経営困難な状態にある法人は103法人(15.6%)に上った。内訳は、2020年までに破綻の恐れがある「レッドゾーン」が17法人(2.6%)、21年度以降に破綻の恐れがある「イエローゾーン」は86法人(13.0%)であった。
国立大学も状況はそう変わらない。国からの運営費交付金は2004年の独立大学法人化後、毎年1%ずつ縮小している。10年間で総額は約1兆2400億円から約1兆1100億円へと約1300億円も減額した。国立・私立にかかわらず大学経営の効率化が急務となっている。