今どき新入社員との向き合い方
水本 伸明
2017年11月号
〈ステップ3〉
小さな成功を積ませる
時代は変わっても、部下を成長させる原理原則は、「部下の長所を見極め、少し困難な目標を与え、仕事をやらせ切る」ことに尽きる。部下の長所を見極める、少し困難な仕事を与える。いずれも、部下をよく見ていない上司にはできないことである。
新入社員が育たない理由を、本人自身にあると考えた時点で、上司(あなた)の負けである。部下は上司を選べないのだから、部下に責任を振り向けても対策は何も出てこない。常に「自分に問題があるのではないか」という原因自分論の考え方に基づいて、新入社員に与えている仕事を見つめ直し、成功体験を積ませることができるよう、仕事をコントロールしていくことが必要になる。
〈ステップ4〉
部下が自発的に学ぶ環境をつくる
「上司は業績を上げて50点、部下を育てて100点」。企業が10年後も成長しているかどうかは、今の新入社員や若手社員が順調に育つことが鍵となる。そのためには上司のサポートだけではなく、部下自身が学び続ける癖をつけさせることも必要になる。今どき上司の役割は、部下の「学び方改革」に取り組むこともミッションの1つといえる。
タナベ経営の創業者である田辺昇一は、「心に情熱の炎を燃やせ」と自著の中で述べている。成長のスイッチを押せるのは、新入社員自身しかいない。しかし、スイッチを押しやすくする環境をつくるのは、上司の役割である。新入社員の胸の中に、成長に向けた情熱の炎はともっているだろうか。

- タナベ経営
- コンサルティング戦略本部 チーフコンサルタント
- 水本 伸明
- Nobuaki Mizumoto
- 地域に根差したコンサルティング活動を通じ、「ファーストコールカンパニー」育成をミッションとして活躍中。人材に関わるコンサルティング全般を得意としている。