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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2017.08.31

価値を「魅せる化」する
~従業員と顧客を魅了する企業とは~
小山田 眞哉

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2017年9月号


一向に減らない“魅力不足の会社”
 
食品の原材料メーカーM社は卓越した開発力を有しており、業界内で評価が高い。高水準の社員処遇と生産性を実現する高収益企業だ。就活生の間では採用枠の空き待ちという人気企業である。
 
企業の本質は、顧客(社会)が期待する仕事と従業員のやりたい仕事が一致し、会社が期待する高い生産性を実現することにある。それは社会性と人間性と生産性が一致し、人(社員・顧客)を魅了する企業価値を創り上げることだと言い換えてもよい。
 
だが、企業の実態はどうか。利益率は伸び悩みを続け、入社3年以内の離職率も依然として高止まり傾向にある。多くの企業は収益効率の低下とスピード離職に歯止めをかけられない「魅力不足の会社」だと言っても過言ではない。
 
冒頭のM社のような、顧客と社員を魅了する企業はどのように創り上げていくべきなのだろうか。
 
 
価値の「魅せる化」を体系的に捉える
 
まず、企業が顧客を魅了するには「価値の魅せる化」が必要だ。すなわち、自社が顧客に提供すべき価値(=顧客価値)を見つけ、自社のみが提供できる価値(=提供価値)を打ち出すことである。顧客にとっての魅力を発見して顧客価値を明確にするとともに、提供価値を創り出す自社の魅力創りを行うという両方が必要となる。要は「価値の魅せる化=魅力の発見×魅力創り」である。
 
顧客にとっての魅力は何か、その魅力をどう創り込むか。その着眼について、食品関連企業をケースに述べていく。
 
食品関連企業における顧客価値は、大きく6つある(次頁【図表1】)。1点目は「機能価値」。健康増進や安全・安心、栄養補給、美容効果など、食べる(飲む)ことによって得られる効果、期待できる効用などが挙げられる。
 
2点目は「感性価値」。カワイイ、懐かしい、面白いなど人の感情に訴える価値である。顧客は感動・感激・感心という魅力に購買行動を起こすことが多い。3点目は「価格価値」。単なる「低価格」だけでなく、お買い得、節約になるという魅力だ。
 
4点目は「時間価値」。早(速)い・短い、グッドタイミング、手間いらずなど、時間的コストを感じさせない価値である。5点目は「希少価値」だ。少ない、珍しい、手に入りにくいなど、数が少なく珍しいというプレミアム価値を指す。そして最後の6点目は「社会価値」。エコ(省エネ・環境配慮)、エシカル(倫理的・道徳的)、ソーシャル(社会的)といった自然保護や社会貢献などによる価値である。
 
 

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