組織力を高める
近藤 正晴
2017年7月号
教育体系のシステム
教育体系のシステムは、
① 会社の経営理念・哲学を理解させる
② 職種別・階層別に教育ニーズを整理する
③ オリジナルの教育体系として設計する
④ 教育カリキュラムを開発する
――という4つに大きく分けられる。
教育体系システム構築のステップは、それぞれ次の通りである。
STEP1:自社人材能力の把握
まず、自社の風土・人材の棚卸しにより人材基盤を総点検する。
(1)階層別、職種別などのモラル実態と風土の詳細を分析・調査する
(2)人材のコンピテンシー、姿勢・態度・特性・適性を診る
(3)職種別・階層別知識・技術・能力の棚卸し・不足能力を診る
(スキルマップ分析)
① テクニカルスキル(専門技術)
② マネジメントスキル(管理技術)
③ ヒューマンスキル(社会技術)
(4)人事考課表から階層別不足能力を診る(人事考課表分析)
STEP2:3つのスキル(テクニカル・マネジメント・ヒューマン)強化に向けた教育体系の設計
(1)教育体系の設計
① 職種別・階層別スキルマップ(能力開発図)の策定
② 不足能力を補うためのオリジナル階層別・職種別教育プログラムの策定
(2)教育カリキュラムの策定
① 現状認識に基づく、重要度・緊急度の高い教育対象層と
カリキュラム設計(OJTとOff-JTに分類する)
② OJTカリキュラム設計
③ Off-JTカリキュラム設計
STEP3:運用の仕組みづくり(自己啓発力向上)
(1)あるべき人材像に基づく採用基準の明確化と、採用戦略の策定
(2)社員の特性を生かすキャリアパスの策定
キャリアアッププランで目標を設定し、職能要件やスキルマップで現状認識をする。このことにより目標とのギャップが分かり、明日からの行動が明確になる。
会社における目標、個人・家庭の目標をシートに記述することで目標が明確となり、その目標に向かって前向きに業務に取り組むことで自発的な行動が生まれる。
これらSTEP1~3により、教育体系システムを構築・運用していく。会社と社員が成長する喜びをつくっていくことこそが、組織力を高めることにつながるのだ。

- タナベ経営
- コンサルティング戦略本部 部長
- 近藤 正晴
- Masaharu Kondo
- 建材メーカーの営業部門、開発部門を経験後、タナベ経営入社。「全ては基本動作から」を信条に、人材育成や組織力を高めるマネジメントシステムを構築。社員のモチベーションアップや営業力強化を実現している。トップ・幹部と一体になって、常に進化し続ける企業づくりに定評がある。