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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2017.05.31

2020年の教育改革をビジネスチャンスと捉える
中尾 泰彰

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2017年6月号


突き抜ける価値をデザインする
 
(1)サービス提供価値を再設定する
 
「顧客が求めるもの」と「自社の強み」の接点が自社の存在価値となる。顧客が求めるものが変われば、当然ながら自社の強みとの接点は失われる。
 
現在、教育産業が提供している商品・サービスは、現行の教育制度での顧客課題(校内定期考査の点数増、入試の傾向と対策など)を解決する設計になっているはずだ。しかし、顧客の求めるものが変わる2020年以降、これに対応しなければ自社の存在価値がなくなることになる。そうならないためにも自社のミッションに基づく「価値の再設定」が必要だ。
 
(2)価値をデザインする
 
次に必要なのが、どこで勝負するかを決めることである。国内人口が減少する中、子ども1 人当たりに投資する金額は確実に増えている。自社が競合他社と比べて際立った「突き抜ける価値」は何か。いま一度見極め、それをどう磨くのかを戦略的に検討してほしい。
 
従来からの価値である、講師の指導力・指導コンテンツの分かりやすさなどの「品質面」に加え、生徒・先生・保護者の不安・不安を解決する「機能面」、またイメージ・ブランド・デザインなどの「効用面」、情報量や関わり方などの「サービス面」、エドテックで大きく変わる「システム面」、そして全てを支える「人材面」。同質化したサービスでは価格競争に陥ってしまう。自社の突き抜ける価値を、きちんと時間をかけてデザインしていただきたい。
 
(3)固有技術を移植する
 
最後に、既存の学習に関わるプレーヤーだけのビジネスチャンスではないことを強調したい。「食える力」の強化と「エドテック」。ここには、今までにない新たな供給不足マーケットが発生し、結果として業界の顔触れを大きく変えることが予測される。
 
現に、小学・中学・高校・大学受験に必要な5教科18科目・1万本以上の授業動画が月額980円で見放題というリクルートホールディングスの『スタディサプリ』は、2015年度の利用者数(有料会員、小中高)は25万人と、新規参入ながら急速に成長している。
 
自社の固有技術は教育界に移植できないか。例えば、システム会社ならプログラム作成や生徒・保護者のビッグデータ解析、グローバルに展開している企業は語学能力、メーカーはコンテンツ開発能力など、自社独自や外部とのアライアンスなどを検討する余地は大きいといえる。
 
2020年まであと3年。戦後最大のビジネスチャンスをひもとき、自社の固有技術を生かしたサービスを構築していただきたい。
 
 
 

  • タナベ経営
  • コンサルティング戦略本部 部長代理 チーフコンサルタント
  • 中尾 泰彰
  • Yasuaki Nakao
  • 次代に向けたビジネスモデル改革、体質改善などを中心に活躍中。独特の感性と業績に向き合う真摯な姿勢で相手に合わせた丁寧なアドバイスを実施し、クラインアントから厚い信頼を得ている。タナベ経営「教育・学習ビジネス研究会」サブリーダー。

 

 
 

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