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【コラム】

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
コラム2021.04.09

デザインを最大限に活用してブランド価値を高める
松岡 彩

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2021年4月号


 

 

ストーリーとデザインの必要性

 

世の中のプロモーションの流れを理解した上で、慎重に進めていきたい点がある。

 

多くの企業が同じようにデジタルツールを強化していく中、いかに自社のブランドを差別化できるかが重要なポイントになってくる。ただデジタルシフトを進めていくのではなく、「コミュニケーションの手法をどう設計すれば、伝えるべきことが伝わるか」を、背景にあるストーリーをつかみながら設計していく必要がある。

 

IT関連企業A社では、CSR活動の一環として自社の顧客や社員に向けて、その時々に応じた備品を配布している。除菌アルコールウエットティッシュや繰り返し洗えるマスクなどを配ることにより、コロナ禍で不安を抱えながら暮らす顧客やその家族に、少しでも安心して過ごしてもらいたいという思いが込められている。

 

オンライン上で顧客とのタッチポイントを増やすことも必要だが、最も重要なのは、ストーリーを描き、「伝えたい思い」を明確にデザインして、その思いが反映されたツールを活用して伝えることである。デジタルかアナログかといった手段にとらわれることなく、ブランドストーリーを描ける方法を選択することが課題解決につながる。

 

食品宅配サービス事業を展開するB社は、オンラインでの集客プロモーションに加え、新規会員加入特典としてノベルティー配布を強化した。ノベルティーは、ターゲット会員である主婦層が喜ぶキッチン回りのアイテムである。

 

誰もが知っている認知度の高いブランドとコラボレーションした、色彩豊かな野菜のイラストが施されたデザインだ。結果、アイテムもデザインも非常に好評で、リピート購入につながっている。

 

ブランドストーリーに沿い、かつブランド同士の親和性などコンセプトがマッチし、互いの付加価値を高めることができるコラボレーション手法による施策や、人と人の対面が制限されている中での温かみを感じるツール展開は、他社との差別化を図る手段になる。

 

ただ、どのような販促ツールを選択しても、ブランドイメージとツールのデザイン設計が異なっていたり、ブランドの背景やストーリーをきちんと理解した上で体現できていなかったりすると、成功にはつながらない。

 

商品やサービスの魅力を正確に伝え、潜在ニーズを満たすことで購買行動を促すことが重要であり、そのためには手順を踏んだデザイン設計が必要である。

 

 

 

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