TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【コラム】

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
コラム2021.04.09

人事評価制度を改善する着眼点
~考課者を「一人ぼっち」にしない仕組みづくり~
北東 良之

consultant_reviewbanner
2021年4月号


 

 

 

 

なぜ人事考課は行き詰まるのか

 

「評価制度がうまく機能していない」という悩みを、経営者や人事担当者から頻繁に聞く。人が人を評価する「人事評価」というものが本質的に難しい仕事であることは、携わった人であれば誰もが納得することだろう。会社に集う社員はそれぞれ生まれも育ちも、人生観や仕事観、価値観も違うわけだから、人事考課という「人の行為を採点する作業」が困難を極めるのは必然である。

 

この課題に対し、今までにどのような対策が取られてきたか。多くの場合、考課者の価値観に左右されないよう、会社の価値観や経営目標を寄りどころとして、さまざまな「評価基準」が設けられてきた。営業職であれば売り上げや利益の目標達成度、製造職であれば生産性、スタッフ職であれば業務改善目標などが挙げられる。また、高い成果につながる行動特性として「コンピテンシー(業績が高い人に共通してみられる行動特性)」が明示され、これを軸に行動評価がなされてきた。

 

しかし、いくら基準をきめ細かく設定しても、考課者による評価のばらつきが許容できる範囲に収斂するには、相応の時間を要する。加えて、変化が激しい経営環境へ適応するには事業戦略の柔軟な見直しが欠かせず、評価基準のベースそのものも変えなければならなくなってくるため、「正しい評価」がどんどん遠のいてしまうのである。

 

その結果は両極端に作用する。1つは「評価基準の追求」であり、職種・階層別に、よりきめ細かい評価基準を策定し、考課者によるばらつきを軽減しようとする「いたちごっこ型」。もう1つは、「良きに計らえ」とばかりに考課者に運用を委ねる「現場丸投げ型」である。いずれもうまくいかないのが現状だ。前者は膨大なエネルギーを要し、後者は考課者の能力への依存度が高い博打のような評価制度になってしまう。

 

 

 

1 2
コンサルタント レビュー一覧へコラム一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo