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【コラム】

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
コラム2021.03.01

ウィズコロナを乗り越える
新しい製造業ビジネスモデルの追求
小谷 俊徳

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2021年3月号


 

 

【図表】鉱工業生産指数(月次、季節調整済、指数)

出所:労働政策研究・研修機構「新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響 国際比較統計:鉱工業生産指数」(2021年1月)を基にタナベ経営が作成

 

 

製造業に求められるビジネスモデル転換

 

コロナ禍により、日本の製造業はかつてない危機に瀕している。労働政策研究・研修機構の鉱工業生産指数の国際比較によると、日本の生産指数の回復スピードは欧米諸国に後れを取っている。落ち込みのピーク(谷)は欧州に比べて浅かったものの、最新の指数(2020年11月)を見ると95.4で回復が頭打ちとなっている。(【図表】)

 

この状況を打破するためにも、製造業は過去の延長線上での改善を図るのではなく、ビジネスモデルを変革する必要がある。変革に向け、次の2つの視点を意識していただきたい。

 

(1)製品・顧客向けサービスへの転換で売上高を最大化

 

これには掛け算の考え方が必要である。社会課題に対する製品・開発サービスによる「製品・サービス転換」と、販売方法やマーケティングモデルの組み替えによる「顧客転換」を掛け合わせ、売上高を最大化することが重要だ。

 

(2)「ものづくりイノベーション」で製造原価を最小化

 

これには足し算の考え方が必要である。1つ目は、工場の自動化やIoTの導入などのデジタル化による生産体制の改善。2つ目は、生産工程の改善による「固定費の最小化」。3つ目は、購買から調達、物流などの見直しによる「経費の最小化」。固定費と経費を最小化し、製造原価の最小化を図る。

 

これらの策を早急に打ち、「7割経済」といわれる環境下においても、中長期的に利益を生み出し続ける価値づくり企業へとビジネスモデルを転換させることが重要だ。

 

製造業の収益構造は非製造業と比べて複雑な中、業務や工場現場の見える化を進めている企業は少なくない。しかし、過去のコンサルティング経験を振り返っても、業績判断ができる試算表や変動損益計算書を作成し、自社工場の実力値を正確につかんで経営判断に活用できている企業は限られている。そのため、経営判断のできる管理会計の確立も必要である。

 

 

 

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