業務の可視化でDXを実現し生産性改革につなげる
岡村 隆宏
2020年10月号
【図表1】企業におけるDX推進状況

出所:情報処理推進機構(IPA)「DX推進指標自己診断結果分析レポート(2020年5月28日)」よりタナベ経営が作成
新型コロナ禍で痛感したDXの必要性
情報処理推進機構(IPA)がまとめた分析リポート(【図表1】)によると、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進状況は、約半数(55%)の企業が「未着手」か「一部での散発的実施」だという。
また、IPAの「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査(2019年4月)」によると、調査企業が現在取り組んでいるDXの多くは「業務の効率化による生産性の向上」(78.3%)であることが分かった。
RPA(ソフトによる業務の自動化)ツールの導入による業務の効率化やリモートワークといった働き方の変化、商品・サービスの高度化が進む中、企業間の競争は激化しており、DXの活用でデジタル時代に勝ち残れる会社に進化する必要がある。だが、推進の半ばで頓挫する企業も散見される。
DXに失敗する企業には、「経営陣と現場におけるDXに対する認識の不一致」「推進初期段階で大きな成果を求める」「既存の業務フローを変えずにDXを推進」という三つの要因がある。
本稿では、特に多い「既存の業務フローを変えずにDXを推進」する場合の解決策を述べていく。