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【コラム】

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
コラム2020.09.30

三つのブランド視点から自社の価値を再定義する
林崎 文彦

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2020年10月号


 

 

ブランディングの認識を改める

 

新型コロナウイルスによる感染拡大を受け、「一時期は業績が落ちていたが、徐々に回復してきた」という会社と「厳しい状態のままだ」という会社が出てきた。これは「選ばれた会社」と「選ばれなかった会社」とも言え、企業の持つブランド力が関係している。日本企業が持つ固有のイメージは「Made&in&Japan」といわれ、世界から高い評価を受けているが、“日本製”にどれだけのブランド力があるのだろうか。

 

2018年、私がイタリアのミラノに視察に行った際、Made in Japanの弱さを痛感した。ミラノには同じような商品を生産する地域がある。そのうちの1社のマネジャーに、周辺のライバルとどのように差別化を図っているかと質問したところ、「この地域の同業者は競合他社ではなく、リスペクトする相手である」との返答だった。他社と切磋琢磨しながら自社の価値を定義し、その価値を認めてもらえる顧客とビジネスを行うという極めてシンプルなビジネスを行っていた。

 

日本企業はブランディングが苦手なところが多い。ブランド力の強化となるとロゴ・デザイン・プロモーションの強化が重要と考え、「ブランディングは経営戦略そのもの」という認識ができていない。

 

あるデザイン会社は、クライアントから「うちの商品が売れるデザインをつくってほしい」という注文を請け負った。しかし、そのデザインを採用した商品はまったく売れず、「どうなっているんだ!」とのクレームが入った。デザイン会社は、「そもそも商品が悪いから売れなかったんだ」と言いたいところを我慢したという。

 

クライアントには何のコンセプトもなく、ただ商品を多く売って業績を伸ばしたいだけだった。商品への思いはあるが全体の統一感はなく、その場限りの商品開発を繰り返していた。

 

アフターコロナの社会において、顧客の価値観の分散、業務の自動化、デジタルシフトが加速化する中、今一度自社の方向性について検討し、ブランドコンセプトを策定していただきたい。変化する環境の中、「自社はなぜ顧客に選ばれているのか」という指針を明確にすることができる。ブランドコンセプトを定めることで、アウターブランディングだけではなく、インナーブランディングにも良い影響がある。

 

 

 

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