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【コラム】

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
コラム2020.07.22

価値観をアップデートし
「あるべき姿」を再設定する
清水 哲也

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2020年8月号


 

 

【図表】企業経営のフレームワーク「1T4M」

 

 

1T4Mで新たな需要を創出

 

不可逆的な価値観の変化(新しい価値観の芽生えと拡大)が激しい今、コロナショック後の経済環境に対してどのように対応していくかが経営のポイントになる。そのポイントを【図表】に示す「1T4M」という切り口で整理しよう。

 

1T4Mとは、キーテクノロジー(固有技術)とマーケット(顧客価値)が合致すれば事業として成立し、管理(マネジメント)、財務・収益(マネー)・人材(マン)という経営機能で事業を支えるという考え方である。

 

事業戦略とは、企業の保有するキーテクノロジーをマーケットにぶつけることだ。コロナショック後のマーケットでは、公衆衛生に関する意識やデジタルツールの存在感が増すといった変化があるだろう。

 

他にも、BCP(事業継続計画)の観点から「従来の取引先や生産拠点だけでよいのか」という課題が生まれ、サプライチェーン再構築の取り組みは増える。営業現場においても、営業担当者がクライアント先に移動して紙の資料で説明する営業スタイルから、オンラインツール(Zoom、Skype、Meetなど)を活用した非接触型の営業スタイルが活発化していくだろう。

 

自社のキーテクノロジーを活用し、「新しい価値観に沿った新しい事業」を生み出す視点も重要となる。価値観の変化は、これまでになかった需要(課題)やビジネスを生み出す。成熟市場といわれ続けている日本に、これまでにない「新たな需要」を創出することが変革のチャンスと言える。

 

経営戦略は、管理、財務・収益、人材の組み合わせでできている。財務・収益で言えば「キャッシュ・イズ・キング」、つまり手元資金や財務の安定性が重要になる。収益構造に関しては、景気変動に強い損益分岐点操業度が重要指標になり、コストの変動費化がポイントになっていく。

 

人材に関しても、タナベ経営が提言している「クラウドと動画を活用した企業内大学校づくり(アカデミーコンサルティング)」による教育研修のデジタル化や、リモートワーク環境の構築(PCの整備、勤怠管理を中心とする各種業務システムのクラウド化、ペーパーレス化、テレビ会議システムの導入など)、採用のデジタル化(ウェブ上での説明会、面談など)が加速している。企業が従業員の健康を経営課題と捉える「健康経営」に、より注力する必要がある。

 

管理では、BCPの策定から始まり、策定した計画を正しく導入・運用・改善するためのBCM(事業継続マネジメント)の重要性が増す。企業のデジタル化についても、一部の業務にITシステムを導入するなどの部分的な取り組みではなく、企業を丸ごとデジタル化するDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる。

 

また、「企業の存在価値は何か」「社会に提供している価値は何か」といったミッションマネジメントをより強力に行っていく必要がある。経済に不安がある時こそ、社員や顧客、協力業者を中心とするステークホルダーから強く認識されるミッションやメッセージが必要だ。変革の際、自社が変えてもよい部分を見極める判断軸になる。

 

 

 

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