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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.12.27

適切な内容を適切なタイミング、
適切な媒体で伝える
小泉 博史

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2019年1月号


 
 
売り上げ拡大や人材採用に直結するマーケティング
 
経営者や現場の担当者とディスカッションをしていると、「マーケティング」や「プロモーション」への関心が以前よりも高まってきていることを実感する。それは、従来の売り上げ拡大、つまり自社の商品・サービスの価値をターゲットに訴求し、「顧客獲得」と「単価アップ」を目的としたものだけではない。例えば、会社の魅力を社会に対して訴求し、優秀な人材を集めようとする、いわば「採用マーケティング」の観点からも関心が高まっている。
 
 
「投資効果」がなかなか表れない
 
しかしながら、実際、マーケティングに関心を持ち、力を入れている企業の全てが成果を上げているかと言えば、そうではない。
 
「商品・サービス紹介のためにホームページを作成した」「リピート顧客を狙ってアプリを導入した」、あるいは「大手就職サイトと契約した」など、積極的にメディアへ投資し、プロモーションを行っても、期待した効果が表れない企業は多い。私がコンサルティングを手掛けているA社もその一つであった。
 
A社はクリーニング業を営んでおり、このほど自社のホームページをリニューアルした。また、会員顧客にクーポンやキャンペーン情報を提供するアプリを導入するなど、Webプロモーションを中心に積極的な施策を打った。しかし、結果は期待通りのものではなく、ホームページの閲覧数はリニューアル前とほぼ変わらず、アプリ会員数も伸び悩み、売り上げは減少した。
 
 
カスタマー視点と訴求タイミングの欠如
 
A社の問題は、大きく2点あった。
 
1点目は、ホームページに「カスタマー視点」がなかったことである。A社のホームページの内容のほとんどは工場の機械・設備の画像であり、それを難解な専門用語で説明していた。自社の技術力の高さの根拠として掲載していたようだが、一般消費者が関心を持つには難しい内容であった。
 
2点目は、メディアへの訴求のタイミングが悪かったことである。
 
フィールドインタビューを実施したところ、新規顧客は、A社自体を認知している人が少なかった。また、既存顧客に関しては、ホームページやアプリの存在を知っている人が圧倒的に少ないことが判明した。
 
つまり、A社自体やホームページの認知度が低いため、カスタマーがそもそもホームページを検索しようとしていなかったのである。もし、これがA社やホームページ、アプリ自体の認知が高い状態であったならば、来店効果は出ていただろう。
 
前者の「カスタマー視点の欠如」に関してはペルソナの設計、後者の「メディア訴求のタイミングの悪さ」に関しては、カスタマージャーニーに基づいたメディア戦略を行うことで改善に取り組んだ。
 
 
 

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