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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.10.31

「既存顧客重視の経営」で企業体力を高める
石川 一平

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2018年11月号


 
既存顧客→新規顧客の開拓にはSNSが有効
 
新規顧客の開拓に対し、以前はインターネット上で広告を出すなどの施策が多く取られてきた。それが成果に結び付いていたのだが、情報量過多の現在、こうしたアプローチは多くの情報の中に埋もれてしまい顧客の目に届かない、または届いたとしても情報量が多すぎて受け取る側が消化しきれない、ということが往々にして発生する。
 
また、集客のため「決算セール」や「数量限定10%OFF」などさまざまなキャンペーンを実施しなければ、新規顧客に注目してもらうことが難しい。ただ、こうしたキャンペーンの効果は一過性で、すぐに興味を持たれなくなってしまう。よって随時、新しい企画を打ち出す必要があるが、ネタが不足し、どうしても似たキャンペーンが続きがちになる。すると市場の関心は薄れ、企画側も疲弊していく。結局、継続的な成果に結び付かないことも多い。
 
私は前職時代、リフォーム商品のサイトを立ち上げ、Web広告を展開し新規顧客の集客を行っていた。実際、最初はそれで集まっていた。しかし日を追うごとに集客が難しくなり、広告費用だけが増えていった。また集客しても、新規顧客の多くは相見積もりを取って最も安価な会社と契約するケースが目立ち、契約金額・利益ともに目標を下回る水準で推移した。半面、一度契約をもらった既存顧客の追加注文や、紹介顧客の契約金額や利益率は高かった。
 
こうした情報過多時代に効力を発揮するのが、既存顧客の口コミによる宣伝・集客だ。人は、自分が信用する身内や友人・同僚に勧められた会社や商品は、ネットやテレビ、チラシの広告よりも信用する傾向がある。例えば、テレビCMで見掛けた飲料よりも、仲の良い友人がおいしいと言った飲料の方に興味を抱き、購入することが多い。
 
TwitterやInstagramなどの、SNSによる情報拡散も有効だ。SNSでつながっている人は、たいてい価値観が似ている人である。そのため、そうした人たちが勧める商品には興味が湧きやすい。例えば、1人の顧客が20人の知り合いに商品を紹介すると、その20人がまた20人へ、さらにそれぞれ20人に紹介したとして、その時点で8000人が商品を知ることになる。しかも価値観が似ている8000人だ。これは、新規開拓のためむやみに広告を出すことよりも効果的である。
 
既存顧客重視という方針を、顧客と接するアフターサービスなど一部の部門にだけ指示する企業が散見されるが、「特定の部門がすべきこと」という考えは捨てていただきたい。経営者・幹部の方々は、全社に向けて既存顧客を重視する方針を発信し、社員全員が自分事として取り組めるよう、その土台づくりに専念してほしい。
 
 
 
 

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  • タナベ経営
  • 経営 コンサルティング本部
    コンサルタント
  • 石川 一平
  • Ippei Ishikawa
  • 大手リフォーム会社の営業職、経営企画職を経てタナベ経営に入社。さまざまな事例をベースに、クライアント独自のビジネスモデル創りを推進。現場主義でのコンサルティングを信条とし、チャレンジ精神に基づく攻めのコンサルティングで、多くの企業のビジョン実現を支援している。

 
 

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