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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.10.31

「既存顧客重視の経営」で企業体力を高める
石川 一平

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2018年11月号


 
既存顧客の重視は、新規開拓につながる
 
既存顧客を重視するメリットとして、大きく2つが挙げられる。
 
第一は、「ライフタイムバリュー」(顧客生涯価値:1人の顧客から企業が生涯にわたって得る価値・売り上げ・利益)の向上である。既存顧客を大切にする企業姿勢が、既存顧客に受け入れられ、購入頻度が上がり、結果として1人の顧客からの売り上げ・利益が増加するのである。ただし、「顧客を大切にする」という企業としての姿勢は重要であるが、同時にライフタイムバリューを高める仕組みづくりにも取り組んでほしい。
 
ある企業は当初、アクティブシニア(定年退職後も趣味や社会活動に意欲的な高齢者層)向けの旅行代理店業を営んでいたが、顧客の多くが「介護が必要な状態になった」と身体的な衰えを理由に、旅行から引退するケースが多かった。
 
そこで同社は介護事業も開始し、旅行を引退した方々にアプローチを展開した。続いて、葬祭事業にも進出した。さらには40~50歳代向けスポーツジムの運営も手掛けた。元気なシニアを増やすことで、年齢を重ねても旅行に参加し続けてもらう流れをつくった。結果、同社では顧客と接する期間が、60~70歳代の10年間から、今では40~80歳代(スポーツジム~葬祭サービス)の40年間へと4倍に延びたという。
 
第二に、既存顧客への取り組みが新規開拓につながることだ。例えば、私がコンサルティングを行ったある企業は、既存顧客用の無料会員制サービスを運用している。会員は、地域の協力店で飲食などの割引サービスが受けられる。その企業は、地域の協力店からも仕事の引き合い(新規開拓)を得られるようになった。
 
 
【図表1】 販路開拓で重視していること

201811_review2_01

出典 : 大同生命保険「中小企業調査『大同生命サーベイ』月次レポート」(2018年5月度)


 
 
【図表2】 過去1年間の売り上げに占める新規顧客の割合
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出典 : 大同生命保険「中小企業調査『大同生命サーベイ』月次レポート」(2018年5月度)


 
 
 

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