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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.08.31

「ポスト2020」その先の成長に向けた新規事業の開発
林 洸一

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2018年9月号


 
事業を取り巻く環境
 
 
顧客ニーズの多様化、IT技術の革新的な進化、オープンイノベーション、働き方改革、異業種からの参入など、企業を取り巻く経営環境は日々目まぐるしく変化している。その中で新たな収益の柱となる事業の創造は、企業にとって常に考えなければならない経営課題の一つと言える。
 
経済産業省の調査によると、主力事業におけるライフサイクルは、GNT(グローバルニッチトップ)企業であっても、10年以内との回答が66.7%と大半を占めている(【図表1】)。その他の企業に関して言えば、73.8%と7割を超えている状況である。つまり、顧客ニーズの多様化、技術の進化、モノ余りの現代において、ライフサイクルはどんどん短縮化しており、既存事業に固執した現状維持は近い将来の衰退を意味すると言っても過言ではない。
※ニッチ分野で高い世界シェアを有する中堅・中小企業
 
 
【図表1】主力事業におけるライフサイクル
201809_review2_01
出所:経済産業省「2016年版 ものづくり白書」
 
 
そこで、適切なライフサイクルを確保するために、多くの企業がさまざまな取り組みを行っている。前述した経済産業省の調査では、大企業、中小企業ともに「価格競争に陥らない事業領域へのシフト」を実施している企業が多い(【図表2】)。そして、そうした取り組みを行っている企業の過去3年間の売上高を見ると、減少している企業は少ない傾向が見られたという。
 
 
【図表2】 適切な製品ライフサイクルの確保の取り組み(複数回答)
201809_review2_02
出所:経済産業省「2016年版 ものづくり白書」
 
 
 
事業開発の着眼
 
 
新規事業のアイデアを考える時、よくマーケットインによる開発か、プロダクトアウトによる開発かが検討される。現代においてはどちらの考えが重要となるか。答えは両方だ。高度経済成長期までの日本は、モノ不足であったため2番煎じだろうが3番煎じだろうが、企業は「作れば売れる」時代であった。この時代においてはプロダクトアウト中心であったが、その後、顧客ニーズが多様化するに伴い、顧客の要望に応える製品・サービスを提供する(もっと言えば顧客の言いなり)マーケットインの傾向が高まった。
 
しかし、あらゆるモノ・サービスがあふれるモノ余りの現代においては、顧客課題を解決し、他社と圧倒的な差別化ができる価値提供(製品・サービス)の開発、すなわちプロダクトアウトの考えに加え、まだ顕在化していない潜在的な顧客ニーズを創造するマーケットインの両方の考え方が重要となる。
 
 
 
 

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