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コンサルタント レビュー

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2018.06.29

組織と個人の「メンタル・モチベーション」
浜西 健太

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2018年7月号


 
個人におけるメンタル・モチベーション
 
個人で考えるべきメンタル・モチベーションについて、大切なポイントを3点挙げたい。


(1)自分を心底、大切にする


自分のことを最も大切にできるのは、他の誰でもなく、自分自身である。これは当たり前のことなのだが、意外に忘れられがちである。もちろん、仲間の同僚や後輩、顧客や上司も大切なのだが、自分の身を犠牲にしてまで、それらの人たちを支え続けようとしないことである。


(2)適度な情動発散を心掛ける


私たちは、本能という強いエネルギーを、理性によって抑圧している。それは大人であるがゆえに、理性で我慢できている。ただ、理性の受け皿には限界がある。受け止め切れなくなった本能のエネルギーは、生命活動を維持する上で大切な脳幹へと向かっていく。その結果、脳幹が傷ついてしまう現象が「自律神経失調症」と呼ばれるものだ。


これを避けるため、適度に本能のエネルギーを開放するすべを身に付けておく必要がある。例えば、ジョギングや体操、ヨガ、スポーツなど、主に全身を使う運動が効果的であると考えられる。


(3)起きた出来事の“受け取り方”を変える


米国の臨床心理学者アルバート・エリスが、論理療法という心理療法の中で「ABC理論」を提唱している。これは、私たちの感情(C)は出来事(A)が決めているのではなく、出来事に対する受け取り方(B)が私たちの感情をつくっているという理論である。


当たり前だが、すでに起こった出来事を変えることは不可能だ。しかし、起きた出来事に対する受け取り方は、いくらでも変えることができる。

 
 
組織におけるメンタル・モチベーション
 
次に、組織で考えるべきメンタル・モチベーションについて大切な3点を述べたい。

(1)自発的動機付けを促す


これは働く従業員一人一人が、各自の仕事にどんな意味を見いだせるかということだ。経営者・経営幹部が中心となり、従業員に気づきを与えていくわけだが、最終的には従業員自身が「自分はこんな思いがあって今の仕事に取り組んでいる」と自覚することが重要である。


(2)一番ワクワクする瞬間を最初に共有する


仕事で一番ワクワクする瞬間(営業→成約の瞬間、接客→顧客に感謝された瞬間)を従業員と最初に共有し、そのイメージを強く焼き付けた状態で指示出しや教育を行うとよい。


例えば、営業担当者に指導する場合、電話のかけ方→提案の仕方→ニーズの聞き出し→訪問日の取り付けなど、順番通りに教えるだけだと担当者のモチベーションが上がらない。初めの2、3件の電話で断られるとすぐ諦めてしまうだろう。ただし成功するイメージがあれば、電話を切られてもモチベーションは簡単に切れない。


(3)傾聴を大切にする


「人はよく話をする相手よりも、よく話を聴いてくれる相手を信頼する」といわれる。これは間違いない。あなたは部下や後輩が相談に来たとき、きちんと話に耳を傾けているだろうか。パソコンを操作しながら、スマートフォンを見ながらなど、「ながら」で応じていないだろうか。また、相手の話を遮って「要は何なの、結論は?」など、論理的に振る舞うかのようにプレッシャーをかけてはいないだろうか。


「聴く」という行為は、自分の頭の中を一度真っ白にし、相手に姿勢も心も傾けて、意をくみ取ることなのである。

 
 

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