TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。

コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.04.27

M&Aにおける「成功」とは
丹尾 渉

consultant_reviewbanner
2018年5月号


 
M&Aの定着
 
M&A(企業合併・買収)調査会社レコフの調べによると、日本企業が関わったM&A件数は2000年以降増加し、2017年は年間約3000件に上った。
※MARR Online(マールオンライン)「1985年以降のマーケット別M&A件数の推移」より
 
M&Aと言えば、かつて大手企業が資金力を背景に、海外企業への対抗手段として使われることが多かった。例えば、ソニーが米映画会社のコロンビア・ピクチャーズ買収で合意したのが1989年。同年には三菱地所がロックフェラーセンターを買収した。「米国の魂を買った」と揶揄されるほど世間をにぎわせた買収劇から、約30年がたとうとしている。
 
そして現在、日本企業によるM&Aは、大手による海外企業買収に限らず、国内同士かつ中堅・中小企業も巻き込む形で展開されるようになっている。
 
201805_review3_01
 
M&Aの目的(期待すること)
 
M&Aの目的は多様化している。近年は、後継者難による事業承継の目的でM&Aを選択する企業も増えてきた。これは「企業の存続」が狙いだが、もともとの原初をたどれば、大きく2つの目的からM&Aは始まった。「規模の拡大」と「経営資源の拡大」である。
 
(1)規模の拡大
 
この場合は、M&Aを通じて「マーケットシェアを高めること(売上高の増加)」と、「生産・販売などを集約したり、コスト削減を行ったりすることで利益を創出すること」を指す。これは欧米企業のM&A戦略の基本にもなっている。
 
(2)経営資源の拡大
 
1社単体でイノベーションを起こすことが難しくなった今日、企業は新しい技術やアイデアを外部に求めるようになっている。ある新しい技術やアイデアをもとに新規事業を立ち上げたいのであれば、最も手っ取り早い手段は「その技術を持つ企業を買う」ことである。2018年にメディアをにぎわせた、某大手企業によるベンチャー企業への大型出資なども、イノベーションに対する先行投資(先行者利益の獲得)であり、経営資源の拡大が目的である。
 
 
 
 

1 2
コンサルタント レビュー一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo