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コンサルタント レビュー

タナベコンサルティンググループの経営コンサルタントが、各専門分野の経営テーマに沿った戦略や施策を提言します。
2018.03.30

顧客満足度の「見える化」で
顧客志向のPDCAサイクルを回そう
井上 裕介

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2018年4月号


 
顧客満足度とリピーターの相関関係
 
マーケティング用語に「1:5の法則」というものがある。これは、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかるという法則。言い換えると、新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に、既存顧客の維持が重要であるという考え方だ。

 
その既存顧客(リピーター)を獲得するために重要なのが、「顧客満足度」である。顧客満足度とロイヤルティー(≒リピート意向)には【図表】のような相関関係があるといわれている。

 
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このグラフで注目すべき点は2点だ。1点目は、顧客満足度が「普通」から「不満足」に落ちると、リピート意向は約3分の1に低下するということ。これは製品・サービスに対する不満足要素がある場合、リピートする確率は大きく低下するということを表している。
 
2点目は、顧客満足度が「満足」から「非常に満足」に上がると、リピート意向は約2倍に上昇するということである。これは顧客の期待値に対して、それを上回るような製品・サービスを提供することができれば、リピート率が格段に向上することを表している。そのため、顧客満足度は重要な経営指標であるといえる。
 
散見される「主観的顧客満足度」
 
そのような事実があるにもかかわらず、現場では上長・リーダーの「経験則」「思い付き」「個人的に入手した情報」に基づく施策・判断が行われている。つまり、「根拠のない主観的顧客満足度」分析による施策が横行しているのである。このような現場では、上長・リーダーの性格や性質により、打ち手の内容・精度が異なり、その効果にバラツキが出てしまう。
 
また、もともとの判断根拠が曖昧であるため、効果の検証も行いにくい。すなわち、戦略・戦術のPDCA(PLAN・DO・CHECK・ACTION)が機能しておらず、「やりっ放し」状態になってしまっているのである。これを俗に「PDPD病」という。これでは企業にとってのロイヤルカスタマーであるリピーターは増えない。
 
逆に、このような状態の企業に対して、顧客は失望し、何も言わずに他社の製品・サービスを求めるようになる。リピーターを失った企業は、5倍のコストを払って新規顧客を獲得する施策を打たなければならない。そのため、収益が悪化していくのは言うまでもない。
 
 
 
 

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