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【コラム】

Focus 事例で見る経営課題解決

旬の経営課題に焦点を当て、TCG REVIEWのインタビュー記事から課題解決策を抽出。5分で読めるよう短くピックアップして紹介します。
コラム2022.07.28

「ブレンドラーニング」で成長を促し早期戦力化を目指す

JR九州電気システム株式会社

 

 

 

 

鉄道電気工事や新幹線建設などの電気・設備工事事業を展開するJR九州電気システム(以降、KDS)。多様な技術・技能を学べるeラーニング(デジタル)と、実践的な集合研修(リアル)の両方を行う「ブレンドラーニング」で、より効率的かつ効果的な社員育成に成功している。

 

 

1.高度で専門的な技術の継承に課題

 

同社のコア事業である鉄道電気工事は、電車を動かす電気の供給、安全運行を支える信号設備などの新設・更新・メンテナンスを行う。高度で専門的な技術の習得に時間がかかることが人材育成のネックとなっていた。

 

また、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)は、九州各地に点在する現場で、終電後の夜間工事の作業中に実施しなければならないことも多く、限られた時間・場所で技術を継承することが難しかった。

 

こうした課題がある中、JR九州グループに加わった30周年を契機に、同社は技術・技能の継承や人材育成のため「KDSアカデミー」を立ち上げた。

 

 

 

 

2.社員の理解を深めながら開校準備を進める

 

同社は、社員がKDSアカデミーを自分事として認識できるよう3つの組織を新たに設けた。社長が委員長を務める「アカデミー委員会」、人材育成の方向性をリーダーたちが協議する「アカデミー協議会」、科目別に技術のエキスパートがカリキュラムや動画教材を制作する「ワーキングチーム」だ。

 

社員を巻き込みながら3つの組織が連携することで、KDSアカデミーへの理解が深まり、学ぶことへの「やる気」が高まったという。

 

 

3.動画で予習し、実技訓練を受け、復習する

 

ワーキングチームが制作した動画教材により、時間・場所を問わず、深く広く技術を学べる環境は整った。しかし、技術を習得するためには、現場で現物を使い、音や匂い、触り心地など五感の「カン・コツ」を実践的にトレーニングする必要がある。

 

そこで生まれたのが、集合研修(リアル)と動画(デジタル)の良いところを併せ持つ「ブレンドラーニング」だ。動画教材を見て頭の中で作業をイメージしてから、OJT で実技訓練を受ける。その後、忘れていたらもう一度、動画を見直す。繰り返し学ぶことで、学習内容を定着させる仕掛けである。

 

ブレンドラーニングに対し、社員からは「学びやすく、楽しい」との声が寄せられた。また、入社後の自分の成長をイメージしやすいため、優秀な新卒社員の採用にもつながっているという。

 

1人の社員を一人前に育てるのに約12年かかっていた同社。現場の知恵を取り入れながら、社員が教え合い、学び合うことによって、育成期間を半分の6年にすることを目標に、ブレンドラーニングを進化させ続けている。

 

 

企業事例:JR九州電気システム「学びのブレンド」で技術継承し、未来をつくる人材を育成
FCCアカデミー(企業内大学)設立支援コンサルティング
戦略人事研究会
人材育成研究会

 

 

PROFILE

    • 会社名:JR九州電気システム株式会社
    • URL:https://www.kdsnet.co.jp/
    • 所在地:福岡県福岡市博多区冷泉町4-17 博多祇園NKビル
    • 創業:1952年
    • 売上高:2939億1400万円(連結、2021年3月期)
    • 従業員数:580名(2021年9月現在)

※ 掲載内容は2021年11月当時のものです。

 

 

 

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