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【コラム】

Focus 事例で見る経営課題解決

旬の経営課題に焦点を当て、TCG REVIEWのインタビュー記事から課題解決策を抽出。5分で読めるよう短くピックアップして紹介します。
コラム2022.05.23

「農業×福祉」で地域の課題解決ビジネスを展開

東レ建設株式会社

東レグループで建設事業と不動産事業を担う東レ建設が実証実験を行い、事業展開を進める高床式砂栽培農業施設「トレファーム」。楽に楽しく無理なく安全に農作業ができる場を提供し、地域雇用も創出する新しい農業ビジネスモデルでSDGs実現を目指している。

1.「農福連携」で農業の新しいセオリーをつくる

建設会社である同社がビジネスの可能性を見いだしたのは、高齢者や障がい者が、農業を通して自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組み「農福連携」のフィールドだ。

「農作物を作るだけではない農業モデルがあってもいい」と、東京農業大学(東京都世田谷区)との共同研究を進め、栽培研究だけでなく、高齢化や担い手の減少、技術継承の難しさなど、農業が抱えるさまざまな課題も解決できるビジネスモデルを策定した。

目指すのは、SDGs17ゴールのうち、3「すべての人に健康と福祉を」、8「働きがいも経済成長も」、10「人や国の不平等をなくそう」、11「住み続けられるまちづくりを」の達成である。

2.建設業界で培ったノウハウを活用

トレファームには、同社が建設業界で培ったノウハウが生きている。砂を載せる栽培ベッドは、堅固で汎用性の高い建設資材を使用することにより、誰もが安全で作業しやすい高さを実現した。

また、プログラム化したワイヤレス灌水システムで、手間のかかる水・肥料やりを自動化。ビニールハウス内の土壌温度はセンサーで感知され、リアルな画像データとともに遠隔管理できる。

3.「地域のブランディング事業」として収益性も実現

持続可能なビジネスモデルとして農業に携わるからには、生産性が重要である。ただ、効率化だけを目指すのではなく、労働力が足りない数合わせだけでもなく、地域の人々と連携して品質を高めることで生産性も上げていくために、同社は自社の技術を活用して、「楽しく農業をする環境づくり」をサポートしている。

農福連携の事業は、高齢者や障がい者の生きがいづくりに注目が集まりがちだ。しかし、トレファームは、高品質・高付加価値の農作物を育てる「地域のブランディング事業」として軌道に乗せることで、収益にもつなげる未来型のビジネスモデルとなった。

栽培技術の継承、担い手となる人的資源の確保、地域価値を高めるコミュニティーづくりを、ICT・IoT技術で全てパッケージ化したトレファーム事業。農福連携から地域ブランディングへとつながるビジネスモデルで、人と農業がつながり、シェアする暮らしが始まっている。

 

企業事例:東レ建設「建設会社がつくる新しい農業のカタチ」
SDGsビジネスコンサルティング
建設ソリューションコンサルティング
アグリサポート研究会

 

 

PROFILE

    • 会社名:東レ建設株式会社
    • URL:https://www.toray-tcc.co.jp/
    • 所在地:大阪府大阪市北区中之島3-3-3 中之島三井ビルディング19F
    • 設立:1982年
    • 売上高:403億9800万円(2020年3月期)
    • 従業員数:369名(2020年12月現在)

※ 掲載内容は2021年2月当時のものです。

 

 

 

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