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【メソッド】

レジリエンス戦略

「低成長×非連続×高速変化」という経営環境下で、自社をしなやかにアップデートしていくための「レジリエンス戦略」について提言します。
メソッド2022.07.11

vol.2 レジリエンスカンパニーになるための基本戦略②

レジリエンスカンパニーを目指し、会社をまるごとアップデートしよう

「低成長×非連続×高速変化」の時代に対応し、企業成長を実現する「レジリエンスカンパニー」となるには、会社を「まるごとアップデート」する覚悟が必要です。実際、コロナ禍においても、社会の変化・課題に対する自社の存在意義を問い直すことで、新たなビジネスモデルの創造や事業の多角化を進めている企業は多くあります。

 

経済危機は、会社を変えるきっかけになります。企業には、予測不能に発生する危機、ニューノーマルが常態化する社会、DXなどの技術革新によって大きく変化し続ける状況に対応できるようアップデートすることが求められます。レジリエンスカンパニーの究極の姿は、危機が発生してから対応するのではなく、危機発生と同時に変化へ対応可能な体質ができているレベルです。

 

①事業ポートフォリオのアップデート(ビジネストランスフォーメーション)

日本企業には「業界意識」「横並び意識」が強いという特徴がありました。しかしコロナショックを通して「業界」という価値観が崩れ、従来の産業分類ではくくられないビジネスモデルが加速度的に生まれる中、自社の事業のポートフォリオの再設計により、戦略的に多角化に取り組むことが必要です。

 

②組織ポートフォリオのアップデート(コーポレートトランスフォーメーション)

経営体制においては、スピーディーな意思決定と変幻自在に対応できる組織・経営システムの構築が必須となります。例えば、コロナ禍では政府の統計データよりも、人の移動状況がリアルタイムでわかるスマートフォンの位置情報が、人々の行動の「判断」に活用されました。企業経営においても、リアルタイムで自社の経営状況を「可視化」する仕組みが求められます。

 

現場のデータを経営の意思決定に生かす仕組みが構築されているかどうかは、今後起こり得るさまざまな危機に対し、いち早く事業を回復させるスピードに影響を与えます。そうした状況において、サプライチェーン全体のDXは必須の課題です。

 

Vol.1,2では、レジリエンスカンパニーとなるための基本戦略を紹介しました。次回からは事業戦略について見ていきます。

 

 

※本コラムはタナベ経営主催「2021年度経営戦略セミナー」テキストを抜粋・編集したものです。

2022年11月2日(水)~11月29日(火)開催の経営戦略セミナーについてはこちら

 

 

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