TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【メソッド】

レジリエンス戦略

「低成長×非連続×高速変化」という経営環境下で、自社をしなやかにアップデートしていくための「レジリエンス戦略」について提言します。
メソッド2022.07.11

vol.2 レジリエンスカンパニーになるための基本戦略②

条件7.【サステナビリティ】SDGsを軸とした社会的価値の追求

企業に社会的価値が求められる時代となり、多くの企業がSDGsへの取り組みを進めています。こうした価値観の高まりやSDGsへの取り組みは今後も加速していくと予測されます。

 

企業が社会的価値を問われる本質は、SDGsが流行しているからではなく、企業が経済的貢献という物差し以外でも価値を測られる時代になったと捉える方が正しいでしょう。その中で、企業側から見た社会的価値を高める意味を考える必要があります。

 

事業戦略から見ると、事業領域の社会性の高さは事業の持続性に直結します。これは「社会性が高い事業=多くの人が必要としている事業」という関係性が成り立つからです。

 

「業界の固有課題を解決する事業は、業界が存続する限り持続する」という関係性は、企業に限らずさまざまなコミュニティーで成立します。最も大きな対象が世界的な課題の解決であり、その象徴がSDGsに他なりません。つまり、事業の持続性を高めるためには事業領域そのものを社会性の高いものにしなければならないのです。

 

一方、経営戦略という側面で見ると、今後は社会をより良くする企業に「ヒト・モノ・カネ」が集まると言っても過言ではありません。すなわち、経営資源の持続性に関わってくるのです。ここで留意すべきは、経営資源の持続性確保という目的を鑑みると、アウターブランディングと、インナーブランディングをセットで考えることが不可欠という点です。

 

コロナ禍において人々の価値観は大きく変化しました。個々人の価値観が変化すれば、その集合体である社会的価値も当然変化します。その中で企業が新たに寄与すべき社会課題は、①切迫する社会課題への対応、②ニューノーマルな生活様式の創造、③長期的なリスクの抑制および備え、の3つに分類できます。

 

企業の持続性と社会的価値には相関があり、その側面は事業戦略と経営戦略の両面があります。まずは、自社が社会的価値を高める意味・目的は何かを明確にし、それに合わせて検討することが必要です。また、当然ながらその取り組みは自社の理念やミッション・ビジョンと関連しているものでなくてはなりません。自社なりの社会的価値を定め、その価値を明文化することが重要です。

1 2 3
レジリエンス戦略一覧へメソッド一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo